岩波書店がこの年、開業しました - 1913年(大正2年)

岩波書店がこの年、開業しました – 1913年(大正2年)

岩波茂雄(いわなみ・しげお)は出版人であり、岩波書店の創立者でもあります。

岩波茂雄この年8月、東京・神田神保町に古本屋「岩波書店」を開業しました。

岩波茂雄は、神田高等女学校で教頭として「修身」などを教えていましたが、「人の子をそこなう不安と苦痛を免れんため」に31歳で転身します。

若いころから内村鑑三やトルストイに傾倒し、利益追求よりも奉仕の精神を優先していました。安価で提供することを営業方針にし、当時の業界では非常識ともいえる「正札販売」に挑戦します。

出版業にも手を広げ、1914年に夏目漱石の『こころ』を処女出版し、漱石の死後も『漱石全集』を独占出版したり、漱石の弟子たちがブレーンになるなど、漱石とともに出版業を軌道に乗せていきました。

続いて翌年から、一高時代の友人らの協力を得て『哲学叢書』を刊行し、『論理学』や『心理学』がベストセラーになります。

一躍、哲学出版社として注目されることになりました。

自然科学、社会科学などの学術書の刊行にも力を注ぎ、「学問を万人のものに」と27年に「岩波文庫」を創刊します。

戦時中には決して軍部に迎合する出版はせず、いくつもの出版物が発禁処分を受けました。「売れる本は作らねえ。世の中に入り用の本しか作らねえ」が信条の、根っからの出版人だったと言えます。

長野県生まれ(1881~1946年)。

1913年の主な出来事。

■事件/東北地方大凶作。初の飛行機墜落事故、木村鈴四郎、徳田金一両中尉即死。沼津市大火。東京神田大火。那覇大火。生駒トンネル崩壊153人生き埋め、死者11人

■世相/明治記念博覧会。名古屋大疑獄事件

■企業/大同電力会社、台湾拓殖会社、三共製薬会社、大正製薬会社設立

■軍事/巡洋戦艦「金剛」完成。陸軍、飛行将校募集

■文化/大原農業研究所設立

■教育/上智大学設立。秋田鉱山専門学校開校。上田蚕糸専門学校開校。京都法政大、立命館大と改称

■宗教/全国仏教徒大会開く

■科学技術/帝国飛行協会創立

■労働/石原修「衛生学上より見たる女工の現況」

■女性/「青鞜」新しい女特集。「近時之婦人問題号」太陽臨時増刊。「中央公論」婦人問題号特集。東北帝国大に女子入学

■文芸/森姐外「阿部一族」。志賀直哉「清兵衛と瓢箪」。夏目漱石「行人」。中勘助「銀の匙」。斎藤茂吉「赤光」。北原白秋「桐の花」。永井荷風「珊瑚集」。中里介山「大菩薩峠」新聞連載はじまる

■美術/ヒューザン会解散。日本水彩画会創立

■音楽/帝劇「ヘンゼルとグレーテル」翻案「夜の森」・「魔笛」邦訳上演

■芸能/近代劇協会「ファウスト」、日本最初の野外劇。文芸協会、シーザー劇上演を最後に解散。少女歌劇養成所設立。島村抱月・松井須磨子らの芸術座創立

■映画/日活、向島に撮影所設置。日活付属弁士養成所開設。天皇・皇后高輪御所で映画ご観賞

■スポーツ/第1回極東大会(マニラ)、野球・陸上参加。第1回陸上競技大会。慶応義塾で硬式庭球・排球(バレーボール)紹介。スタンフォード大野球選手来日

■出版/「コドモ」、「少女」創刊。田中王堂「吾が非哲学」。徳富蘇峰「時務一家言」。三宅雪嶺「明治思想小史」。「工業大辞典」完成

■流行歌/奈良丸くずし。新ありあけ節。どんどん節。赤いサラファン。悲歌。鯉のぼり。朝日は昇りぬ

■流行語/玉座を胸壁、詔勅を弾丸。薩閥。

1913年はどんな時代であったのか。

桂太郎首相は2月、新党・立憲同志会結成を宣言しました。

憲政擁護派の政友・国民両党は内閣弾劾決議案を提出、憲法をめぐって議会は停会します。護憲擁護の群衆が政府系新聞社・警察・交番などを襲撃する騒ぎが続き、軍隊が出動しました。

結局、桂内閣は総辞職し、後継に薩摩閥の山本権兵衛が選ばれます。政府は行政整理に努めましたが、その一方では米カリフォルニア州の排日土地法案可決、南京の国旗凌辱・居留民虐殺事件などの処理に追われました。

1913年(大正2年)

第3回憲政擁護大演説会について伝えた1913年2月10日の記事

第3回憲政擁護大演説会について伝えた1913年2月10日の記事

1.11 チベット独立宣言

1.12 憲政擁護連合大会、東京・日比谷で開催

1.13 北海道夕張炭坑で坑内火災。会社は坑員53人の生死不明のまま、消火のため坑口を密閉

1.16 英下院、アイルランド自治法案可決、30日上院で否決

1.20 桂太郎首相、新聞通信代表者に新政党「立憲同志会」の結成計画を発表

1.21 政府、予算書印刷未完成を理由に15日間議会停会

1.21 国民党の島田三郎、大石正巳、武富時敏、河野広中、片岡直温ら、桂の新党に参加のため脱党、22日富田幸次郎ら11人脱党

1.23 トルコで青年トルコ党急進派がクーデター

1.24 第2回憲政擁護大演説会、東京・新富座で開催、犬養毅・尾崎行雄ら演説、聴衆3000余

1.30 バルカン同盟対トルコの講和談判決裂

2.1 改正保険業法実施

2.5 政友会・国民党など野党連合が尾崎の名演説で政府を弾劾し、内閣不信任案上程、5日間停会

2.6 軍隊教育令公布

2.7 桂首相、立憲同志会結成の宣言書発表

2.9 第3回憲政擁護大演説会、東京・国技館で開催、聴衆2万の盛況

2.9 大正天皇、政友会総裁・西園寺公望に政争の緩和を要望

2.10 帝国議会3たび停会。数万民衆騒擾化、政府系新聞社、交番を焼き討ちし軍隊出動。11~19日、大阪・神戸・広島・京都で民衆の護憲運動騒擾化

2.11 大正政変、第3次桂内閣総辞職

2.12 海軍大将・山本権兵衛に後継内閣組織の大命降下

2.14 孫文、東京へ

2.19 政友会、政党内閣主義を捨て、後継首班山本権兵衛援助に決定

2.20 国民党、政友会との提携断絶を通告

2.20 山本権兵衛内閣成立

2.23 政友会硬派の尾崎行雄・岡崎邦輔ら24人、山本内閣との提携に反対し脱党、政友倶楽部組織、国民党と連携

2.24 立憲同志会、綱領及び政策発表

3.18 米国、対中国6国借款団から脱退

3.20 中国国民党の宋教仁、上海で袁世凱の刺客に襲われ、22日死亡

3.23 孫文、長崎を出発し帰国

3.26 衆議院、国民党提出の選挙法改正案(25歳以上、直接国税5円以上に選挙権を付与)否決

3.26 バルカン同盟軍、トルコの旧首府アドリアノープルを占領

4.1 北陸本線開通(米原-直江津)

4.8 所得税法改正・非常特別税法廃止公布

4.9 運河法公布(12月1日施行)

4.21 区裁判所廃止

4.27 中国借款2500万ポンド、5カ国銀行団と調印、日本引受額5000万円

5.2 米カリフォルニア州議会、日系移民の農地保有を制限する外国人土地所有禁止法案を可決

5.10 駐米大使・珍田捨巳、排日土地法案に対する日本政府の抗議を米国政府に提出

5.27 長崎三菱造船所立神工場労働者500人、賃金算定法に不満でスト

5.28 中国国民党、袁世凱打倒を計画

5.30 バルカン同盟とトルコ間に平和条約成る。トルコはバルカン半島内の領土の大半を4国に割譲(第1次バルカン戦争終結)

6.1 フィリピンで英語が公用語となる

6.7 鉄道院総裁・床次竹二郎、線路の広軌化への改築見合わせを発表

6.13 行政整理発表、陸軍海軍両省官制改正(軍部大臣の現役武官制廃止)

6.28 川崎市の日本蓄音機会社争議、友愛会・鈴木文治が指導し勝利

6.29 バルカン諸国、ブルガリアと開戦。第2次バルカン戦争起きる

7.1 朝鮮米および籾の移入税廃止

7.12 京都帝大総長・沢柳政太郎、7人の教授に辞表を提出させる(京大沢柳事件)

7.12 中国に第2革命。江西省が袁世凱に反対し、独立宣言、南北戦乱となる

7.24 中華民国、南軍敗退

7.29 中華民国、南京革命軍は袁世凱に応じ形勢一変し、黄興は脱走

7.30 ブルガリアとセルビア・ギリシャ・ルーマニア・モンテネグロの間でブカレスト講和条約調印、第2次バルカン戦争終わる

7.30 歌人・伊藤左千夫死去、48歳

8.1 文官任用令改正公布

8.4 中華民国、南軍の広東独立に失敗し、孫文ら亡命

8.5 岩波茂雄、岩波書店を開業

8.8 孫文、黄興ら、日本に亡命

8.11 漢口で陸軍少尉・西村彦馬、袁世凱の北軍に拘禁される(漢口事件)

9.1 袁世凱軍、南京を占領。その際、日本人商店を襲い、国旗を侮辱し、邦人3人を虐殺(南京事件)

9.2 岡倉天心死去、50歳

9.4 田中正造死去、71歳

9.5 外務省政務局長・阿部守太郎、軟弱外交を理由に壮士に刺され翌日死亡

9.7 国民大会、日比谷公園で開催。対華・対米軟弱外交攻撃、即時出兵などを決議

9.23 セルビア、アルバニアに侵入

9.26 対中国5国借款団が解消、対華経済借款は各国の自由投資とする

10.5 日華間で満蒙5鉄道借款契約に関する公文を交換(優先権獲得)

10.6 袁世凱、中華民国第1期大総統に当選、日・英・露・独・仏、中華民国を承認

10.6 日本政府、中国の「支那共和国」呼称を決める

10.7 日本実業協会設立、会長・渋沢栄一

10.10 桂太郎死去、65歳

10.18 オーストリア、セルビアに対し、アルバニアからの撤退要求の最後通牒。セルビア受諾

10.- 台湾独立陰謀事件、台湾の中国帰属運動発覚

11.1 陸相・楠瀬幸彦、師団増設案を山本首相に提出

11.4 袁世凱、国民党に解散を命令

11.5 外蒙古自治に関して露・華両国宣言。中国は蒙古の自治を承認、ロシアは中国の対蒙古宗主権を承認

11.15 トルコ、ドイツ人ザンダース将軍を首都軍団司令官に任命、18日、ロシアがドイツに抗議

11.22 最後の将軍、徳川慶喜死去、76歳

11.25 アイルランド義勇軍、ダブリンで結成

12.2 閣議、増師案予算計上せずと決定

12.13 英・仏・露、ドイツ人将軍の首都軍団司令官任命に対しトルコに警告

12.14 ギリシャ、クレタを正式に併合

12.20 台湾縦貫鉄道完成

12.23 米、連邦準備銀行法(連邦準備委員会・準備銀行設置)を発効

12.23 立憲同志会結党式、総裁に加藤高明

12.24 政友倶楽部・亦楽会が合同して中正会結成

12.26 第31回帝国議会開会

大正ロマンの幕が上がります。

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