原敬は平民宰相と言われた - 1918年(大正7年)

原敬は平民宰相と言われた – 1918年(大正7年)

原敬(はら・たかし)は新聞記者であり、政治家でもあります。

原敬この年9月、日本初の本格的政党内閣を誕生させ、「平民宰相」として世論の支持を受けました。

しかし、普選運動は時期尚早として反対します。選挙制度を小選挙区制に変更して議会の絶対多数を獲得し、思うままに政策を実行しました。

政権末期には政党政治の腐敗ぶりを示す事件も頻発します。

批判の高まるなかで、皇太子に洋行を勧めたことに憤った右翼の青年に暗殺されました。

原敬は南部藩家老職の孫に生まれましたが、戊申戦争後は窮乏生活を余儀なくされます。学費が続かず、食費などが支給されるカトリック神学校を経て、司法省法律学校に入学しました。しかし、問題を起こした学生の処分に対して陸羯南らとともに抗議し、退学になります。

自由民権運動の影響で新聞記者を志し、郵便報知新聞社に入社し、その後、井上馨、陸奥宗光に認められて外務省・農務省へと転身します。

とくに陸奥に傾倒し、陸奥の死とともに朝鮮駐在公使を最後に官を退き、大阪毎日新聞社社長に就任しました。立憲政友会の創設に参画し、政党政治の実現に尽くしました。

記者時代から「国際人養成のために小学校から英語教育を」と主張していました。

岩手県生まれ(1856~1921年)。

1918年の主な出来事。

■事件/各地大雪、北陸・信越・陸羽各線不通。九州・中国に台風。信越・山陰線列車事故。東京市電事故。宇部炭坑の坑員暴動、軍隊出動。九州炭坑坑員暴動。八幡製鉄所長官自殺。京都府大疑獄事件。水戸市大火

■世相/染料・銑鉄など大暴落。大阪市に公設市場。簡易食堂。スペイン風邪流行。東京市内のうどん・そば(もり・かけ)6銭。岐阜県で電車の女性車掌初採用。東京市内乗合自動車認可。日本最初の撒水自動車。東京府下無免許歯科医290人検挙

■企業/三菱鉱業、古河鉱業、大日本紡績会社設立

■軍事/陸軍自動軍隊を新設

■文化/丹那トンネル着工。大倉集古館成る。電気博覧会。化学工業博覧会。武者小路ら「新しき村」日向に建設

■教育/米の教育哲学者デューイ来日。北海道帝国大官制公布。女子学習院新設。中等学校物理科学生徒実験要目を制定

■科学技術/東京帝国大航空研究所設置。臨時窒素研究所設置。文部省科学研究奨励金交付制度

■女性/東京女子大学設立。北海道帝国大、女子入学許可

■文芸/有島武郎「生れ出る悩み」。葦西善蔵「子を連れて」。菊池寛「忠直卿行状記」。室生犀星「愛の詩集」。釈迢空「万葉集私論」。島村抱月死去(47歳)

■音楽/宝塚少女歌劇第1回帝劇公演。浅草オペラ全盛。ロシアのプロコフィエフ来日。赤坂ローヤル館閉館

■芸能/演劇協会結成

■映画/純映画時代へ。「ほととぎす」。「生ける屍」。「生の輝き」。「哀の曲」

■スポーツ/第1回関東蹴球大会。第1回全国蹴球大会。10マイル短縮マラソン。軟式野球

■出版/「赤い鳥」、「新思潮」(第5次)、「ポケット」、「受験と学生」創刊。田辺元「科学概論」

■流行歌/のんき節。鴨緑江節。活動節。新時代節。コロッケの唄。水藻の花。浜辺の歌

■流行語/過激派。非立憲(ビリケン)内閣。女一揆。白虹日を貫く。平民宰相。投機熱。

1918年はどんな時代であったのか。

8月2日、日本はシベリア出兵を宣言します。ウラジオストクから大軍を上陸させ、ザバイカルヘも大軍を送り、現地に傀儡政権をつくるなど、列国の疑惑を招きました。

一方、日華共同防敵軍事協定を締結させ、日本による中国の軍事的支配の条件を獲得します。

物価、とくに米価高騰は著しく、8月、富山県下の一漁村に始まった米騒動は全国に拡大、未曽有の騒動となりました。

激しい弾劾運動を受け、総辞職した寺内内閣の後継、原敬は、陸海外3相以外の閣僚を政友会員が占める政党内閣を組織しました。

1918年(大正7年)

対露出兵宣言について伝えた1918年8月3日の記事

対露出兵宣言について伝えた1918年8月3日の記事

1.1 英外務次官、珍田捨巳大使に日本軍を主力とする日英のウラジオストク共同出兵を提案

1.8 米大統領ウィルソン、講和への綱領14カ条を発表

1.12 中華民国と兵器供給契約成立

1.12 在留日本人保護を名目にウラジオストクに軍艦2隻を派遣

1.25 ロシア、国名を「ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国」とする

1.- 吉野作造ら、普選研究会を組織

1.- 活版工組合信友会を結成(全印刷工組合に改組)

2.2 米価暴騰、1円につき2升台

2.5 外相・本野一郎、米大使モリスに東部シベリア鉄道の管理につき提案

2.11 憲法発布30年祝賀国民大会、東京上野公園で開催。民衆と警官衝突

2.12 衆議院、予算案(8月6日、艦隊編成計画費を含む)を修正可決、3月13日貴族院可決

2.16 リトアニア、独立を宣言

2.21 憲政会・国民党、選挙法改正案をそれぞれ衆議院に提出

2.21 浦賀船渠5300人スト(24日解決)

2.24 エストニア、独立を宣言

3.3 ソビエト、ドイツと単独講和条約締結

3.7 米国、日本のシベリア干渉に疑義を表明

3.11 英・仏・伊3国政府、日本政府にシベリア鉄道占領を求める共同覚書提出

3.11 ソビエト政府、首都をペトログラードからモスクワに移す

3.19 政府、シベリアで自衛手段をとるかもしれないと米国に通告

3.20 衆議院本会議、憲政・国民・政友各党の選挙法改正案を否決

3.25 軍用自動車補助法公布(5月1日施行)

3.25 共同防敵に関する日華公文交換

3.25 第1次日米船鉄交換契約成立

3.27 市町村義務教育費国庫負担法公布(4月1日施行)

4.1 徴兵令改正公布

4.3 友愛会6周年大会開催(120支部、3万人)

4.5 日・英両国陸戦隊、ウラジオストクに上陸開始

4.9 ラトビア、独立を宣言

4.15 三菱商事設立(5月1日開業)

4.17 軍需工業動員法公布(6月1日施行)

4.25 米価調節のため外米管理令公布(5月7日実施)

4.26 外米管理規則制定(11月1日廃止)

4.30 対中国有線電信借款成立

5.1 後藤新平外相、連合出兵方式を承認する意向を各国駐在日本大使館に訓電

5.5 第1回全国青年連合大会、東京帝国大講堂で開催

5.16 日華陸軍共同防敵軍事協定調印(19日、海軍)

5.20 政府、米価調節に管理外米売り出し

5.21 北京で日華軍事協定反対の学生デモ

5.31 陸軍兵器廠令公布

6.7 連合国、日本政府に対しシベリア出兵を求める第2回共同提議

6.7 朝鮮殖産銀行令公布(即日施行)

6.10 貴族院全国多額納税議員総選挙

6.15 米価暴騰のため取引所令改正、小口落とし禁止(過当投機を抑制)

6.18 英国王名代コンノート殿下来日

6.21 英首相ロイド・ジョージ、日本のシベリア出兵を要請

6.23 オムスクで反ボリシェビキの臨時シベリア政府成立

6.28 帝国人造絹糸株式会社設立

6.29 チェコ軍が反ボリシェビキ・クーデター、ウラジオストク港を占領

7.8 米国、チェコ軍救援のためウラジオストクに日米共同出兵を提議

7.10 米国、対華新4国借款団組織提議

7.10 貴族院伯子男爵議員改選

7.15 閣議・元老会議、シベリア出兵決定

7.15 ドイツ軍、最後の総攻撃

7.16 エカテリンブルクで元ロシア皇帝一家殺される

7.31 米価暴騰で各地取引所立ち会い停止

7.31 泰平組合(明治40年に三井物産・大倉組・高田商会で設立)、中国財政部と第4次兵器売り込み契約成立

8.2 日本政府、チェコ軍捕虜救済を名目にシベリア出兵宣言

8.3 米騒動。富山県西水橋町主婦200人、米の移出に反対して米商襲撃、9月中旬までに1道3府32県、参加者70万人以上の大騒動に拡大

8.3 米国、シベリア出兵を宣言

8.4 日米両国、シベリアにおける共同行動を宣言

8.7 米価暴騰(1升50銭台に)

8.12 日本のウラジオストク派遣軍上陸開始

8.13 政府、満州里への派兵を正式宣言

8.14 内務大臣、米騒動に関する新聞記事差し止め命令

8.16 緊急勅令で穀類収用令公布施行、強制買収のため政府1000万円を責任支出、臨時米穀管理部を設置

8.17 憲政会、米騒動についての政府の責任を追及、処決を要求

8.17 近畿関西新聞記者大会、内閣弾劾を決議(9月2日全国新聞記者大会)

9.4 日本軍、シベリアのハバロフスクを占領

9.5 北京国会、徐世昌を大統領に選出

9.6 日華陸軍共同防敵軍事協定実施に関する詳細の協定調印

9.9 日本陸戦隊、ニコライエフスクに上陸

9.12 寺内正毅内閣弾劾全国記者大会

9.21 寺内内閣総辞職

9.26 ヨーロッパ戦線で連合国軍、総攻撃を開始

9.28 中華政府へ山東2鉄道・満蒙4鉄道・参戦借款など総額2億数千万円を供与。西原借款

9.29 原敬内閣成立。外・陸・海3相を除く全閣僚を政友会員で占める政党内閣

9.30 造船奨励法停止

10.8 米国、対華新4国借款団組織を正式提議

10.15 閣議、シベリア派遣軍をザバイカル以西に進出させない方針を決定

10.29 閣議、対華借款差し控えを決定

10.29 ユーゴスラビア、独立を宣言

10.30 チェコスロバキア、独立を宣言

10.30 外米関税停止勅令発布(1921年4月消滅)

11.3 ポーランド、共和国を宣言

11.3 ドイツ、キール軍港で水兵暴動

11.9 ドイツ11月革命、共和国宣言、皇帝ヴィルヘルム2世退位

11.11 連合国、対独休戦条約に調印(第1次世界大戦終わる)

11.11 オーストリア皇帝カール1世退位、帝政解消

11.18 オムスクでコルチャック提督、反革命政府を樹立

11.23 吉野作造、浪人会を相手に立会演説会開催

11.28 日本の講和会議全権大使に西園寺公望、副使に牧野伸顕を任命

12.2 日・英・米・仏・伊5カ国、中国南北両政府に和平統一を勧告

12.2 各国駐華公使、中国に対し南北統一まで政治借款の拒絶を申し合わせ

12.6 大学令・改正高等学校令公布

12.23 吉野作造ら「黎明会」結成、影響を受け新人会(東大)結成

12.24 閣議、シベリア派遣軍大量撤兵を決定(残留総数約2万6000人)

12.27 第41回帝国議会開会

荒々しい風が日本にも吹き荒れつつありました。それに気づいている人は残念ながら、ほとんどいなかったかもしれません。

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