犬養毅が暗殺された年 - 1932年(昭和7年)

犬養毅が暗殺された年 – 1932年(昭和7年)

犬養毅(いぬかい・つよし)は政治家であります。立憲政治の発展に尽くしました。

犬養毅この年5月、犬養毅は政治革新を唱える青年将校らに暗殺されます。首相官邸に拳銃を構えて乱入してきた青年将校に向かって「話せばわかる」と諭しましたが、弾丸は発射されました。

この5・15事件によって戦前の政党政治は終えんを迎えたのです。

犬養毅は慶応義塾在学中に「郵便報知」の記者として西南戦争に従軍します。他社の記者たちが大本営のあった京都にとどまり、発表に基づいて記事を書いていたのに対し、前線から生々しい戦況を報じて読者の評判を呼んだのです。

その後、1882年の立憲改進党結成に参加し、党首・大隈重信の参謀として活躍しました。

1910年に立憲国民党を結成します。桂内閣と対立し、尾崎行雄とともに憲政擁護を唱えて「憲政の神様」といわれました。

22年には国民党を革新倶楽部に改組し、普通選挙実施運動の最左派として活動します。普選法成立を見届け、革新倶楽部を政友会に合同させて引退表明しました。しかし政友会総裁に担ぎ出され、31年に組閣を始めます。

アジア外交にも強い関心を示し、孫文ら亡命政治家を援助しました。毒舌家として知られ、「毒舌集を出版すればベストセラーになる」といわれました。

岡山県生まれ(1855~1932年)。

1932年はどんな時代であったのか。

■事件/坂田山心中(天国に結ぶ恋)。滝野川陸軍火薬庫爆発。駆逐艦「早蕨」沈没、将兵106人殉職。東京相撲協会脱退事件。空閑少佐自殺。静岡県大宮町大火

■世相/白木屋火事で婦人のブルマー普及。人絹出回る。10銭ストア。向島八ツ斬り事件

■企業/日ソ石油販売協定成る

■軍事/戦艦第2次大改装に着手。海軍航空廠開設

■文化/東京市内に自動式公衆電話。大阪ホテル設立。チャップリン来日

■教育/文部省、夜間中学校を認定

■科学技術/仁科芳雄ら、原子物理学研究会結成。最初のアルマイト製品出現

■女性/鳥潟静子結婚解消事件。初の女性農学博士(辻村みちよ)

■文芸/島崎藤村「夜明け前」。谷崎潤一郎「蘆刈」。武田麟太郎「日本三文オペラ」。林房雄「青年」

■音楽/毎日音楽コンクール。「新訂尋常小学唱歌」刊。三浦環が帰国

■芸能/大阪歌舞伎座開場。舞台芸術協会創立

■映画/P・C・L誕生。「生れてはみたけれど」。「嵐の中の処女」。小市民・風刺映画。「国士無双」。「抱寝の長脇差」。活動弁士のトーキー反対スト

■スポーツ/カナダ・ラグビーチーム来日。日本ヨット協会誕生

■放送/松江放送局開設。朝鮮放送協会新設。ロサンゼルス・オリンピック実況放送

■出版/「唯物論研究」、「国勢グラフ」創刊。岩波版「日本資本主義発達史講座」刊行開始。長谷川如是閑「日本ファシズム批判」。小倉金之助「数学教育史」

■流行歌/影を慕いて。涙の渡り鳥。天国に結ぶ恋。走れ大地を。チューリップ

■流行語/挙国一致。話せばわかる。問答無用。自力更生。欠食児童。

1932年の主な出来事。

軍部・右翼は財閥攻撃を続け、テロが国民の目を引きました。

3月1日には満州国建国宣言がなされ、軍部による既成事実が積み重ねられていきました。

満蒙問題の解決と並んで国家改造を夢みた青年将校の一団は、民間右翼と結んで5月15日、犬養首相を官邸に襲い射殺しました(5・15事件)。

斎藤「挙国一致」内閣は9月、満州国を承認すると同時に日満議定書に調印し、日本の権益と日本軍の無条件駐屯を認めさせましたが、逆にリットン調査団の報告を招くことになったのです。

1932年(昭和7年)

犬養毅首相暗殺を伝えた1932年5月16日の記事

犬養毅首相暗殺を伝えた1932年5月16日の記事

1.1 蒋介石と汪兆銘が合流して新国民政府樹立

1.1 労働者災害扶助法実施

1.3 日本軍、錦州占領、山海関へ進撃

1.4 インド国民会議派が非合法化され、ガンジー逮捕

1.7 米国、満州の新事態不承認を日中両国に通達(スチムソン・ドクトリン)

1.8 桜田門事件。桜田門外で朝鮮人李奉昌、天皇の馬車に手榴弾を投げて暗殺未遂

1.9 栃木県阿久津村で小作争議が激化し、死傷者が出る

1.9 ドイツ、賠償支払い継続不能を声明

1.18 全国製糸業組合連合会・全国蚕種業組合連合会創立

1.19 全国養蚕業組合連合会創立

1.19 社会民衆党中央委員会が国家社会主義に転向を表明

1.21 衆議院解散

1.28 第1次上海事変。中国全土で排日運動激化、上海で日本陸戦隊が作戦開始

1.- 安岡正篤ら、国維会を結成

2.2 ジュネーブ軍縮会議開く

2.5 多門師団、ハルビン占領

2.9 前蔵相・井上準之助、血盟団員・小沼正に射殺される、62歳。盟主・井上日召による1人1殺計画

2.16 上海に出兵断行

2.20 第18回衆議院総選挙(政友会304、民政党147、無産諸派5など)

2.20 上海総攻撃開始、22日「肉弾3勇士」戦死(作られた美談)

2.29 国際連盟の満州紛争調査団長リットン卿ら来日

2.- 大川周明ら、神武会を結成

3.1 満州国建国宣言。元号は大同、執政は前清国宣統帝溥儀、首都・新京(長春)。中華民国政府、満州国否認を声明

3.5 三井合名理事長・団琢磨、血盟団員・菱沼五郎に射殺される、73歳

3.13 横浜市電スト。20日東京地下鉄スト

3.22 教員大量検挙、長野県62校、東京20校で。茨城県では数校が臨時休校

4.1 京都市で無軌条電車(トロリーバス)営業を開始(日本で最初は1928年、新花屋敷温泉)

4.18 東京の活弁・楽士3000人、トーキー化に反対してスト。全国に波及

4.24 日本ダービー、目黒競馬場で創始(距離2400メートル)

4.26 三井・三菱両財団の満州国への産業融資金2000万円借款成立

4.29 上海の天長節式場で朝鮮左翼独立党員が爆弾を投げ、白川義則大将、重光葵公使らが重傷

5.5 日華停戦協定、上海で正式調印

5.15 5・15事件。陸海軍将校18人が首相官邸など襲撃、犬養毅首相を射殺(76歳)。別動隊の農民決死隊が変電所などを襲撃

5.16 首相の死去に伴い、犬養内閣総辞職(政党内閣終わる)

5.16 内務省、流言取締・財界撹乱防止を通牒

5.26 斎藤実内閣成立、挙国一致内閣

5.26 コミンテルン、32年テーゼ発表

6.1 第62回臨時帝国議会開会

6.13 農村危機深刻化、衆議院、農村救済決議案可決

6.17 農村ならびに中小商工業者救済具体策審議のため5相会議(首、蔵、鉄、農、商相)

6.17 石川島、東京瓦斯電工、ダット3社協同の国産自動車会社を設立

6.19 プロレタリア文化連盟大会に大弾圧、198人検束

6.29 特高警察強化、警視庁に特別高等警察部設置、全国各府県にも特高課設置

7.1 資本逃避防止法公布(即日施行、外国為替取引の制限)

7.1 満州中央銀行開業

7.13 三井、三菱、安田、住友4信託、国債引き受けシンジケートに加入

7.21 オタワで大英帝国経済会議開催

7.22 失業対策委員会設置

7.24 社会民衆党と全国労農大衆党が合同して社会大衆党を結党、中央委員長・安部磯雄

7.27 文部省、農漁村の欠食児童20万人突破と発表

7.27 農林省、小麦増殖奨励規則公布(即日施行)

7.30 ロサンゼルス五輪開幕(8月14日まで)。南部忠平、三段跳びで金メダル

7.31 ドイツ総選挙でナチス党が第1党

7.- 富士山頂に気象観測所を設置

8.1 国際反戦デー。東京・江東で1500人デモ、警官・憲兵出動

8.23 第63回臨時帝国議会開会

8.23 国民精神文化研究所開設

8.24 全国農会大会。自治農民協議会などが議会に対し農村救済策徹底を要求

8.27 国際反戦大会開く(アムステルダム)

8.- 各地で米よこせ運動

9.7 製糸業法公布(10月20日施行)

9.15 日満議定書調印、武藤信義を全権大使として派遣、満州国を承認

9.25 社会局調査、1931年以降1932年4月1日まで賃金不払いの工場805、関係職工10万人、金額209万8000円

10.1 リットン報告書、日本に通告

10.1 東京市、隣接の5郡82町村を合併して20区を新設、人口500万の大東京市実現

10.3 満州への武装移民団、東京を出発

10.6 赤色銀行ギャング事件。特高スパイの挑発による共産党員の襲撃

10.23 戸坂潤ら、唯物論研究会を創立

10.30 共産党代表者会議を熱海で開催。一斉検挙、続いて全国で2200人検束

11.8 米国ルーズベルトが大統領に当選

11.9 ソ連、日満ソ不可侵条約締結を提議

11.12 東京地裁判事、共産党シンパとして検挙される(司法官赤化事件)

11.21 国際連盟理事会で松岡洋右首席全権、リットン報告書に反駁、日本の決意を表明

11.23 新為替取締令実施

11.26 内地炭の販売統制機関・昭和石炭設立

11.28 伊豆十国峠に航空灯台竣工

11.29 仏ソ不可侵条約調印

12.6 日本軍、満州里入城

12.8 山海関で日華両軍衝突

12.12 ソ華国交正式に開始

12.13 大日本国防婦人会関西本部結成

12.19 全国132新聞社が日本言論機関の名で満州国独立支持の共同宣言発表

12.22 安達謙蔵ら、国民同盟結成

12.26 第64回帝国議会開会

12.28 日本学術振興会創立

12.31 ソ連第1次5カ年計画、4年で完成

ついに青年将校たちの暴発が始まりました。5・15事件こそが日本の、忌むべき歴史の出発点に違いありません。

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