蟹工船の小林多喜二が惨殺された年 - 1933年(昭和8年)

蟹工船の小林多喜二が惨殺された年 – 1933年(昭和8年)

小林多喜二(こばやし・たきじ)は、小説家です。

小林多喜二昭和初年から、代表的プロレタリア作家として活躍しました。

この年2月、街頭連絡中に逮捕され、その日のうちに東京・築地警察署で拷問を受けて死亡しました。この虐殺に魯迅をはじめ、内外から追悼と抗議の声が寄せられました。

小林多喜二は4歳で北海道に移住します。小樽高商在学中から文学への熱意が強く、同校交友会誌の編集員となり、詩や短編を発表しました。

志賀直哉を敬愛していたそうです。

北海道拓殖銀行小樽支店に就職後も文学を志し、有志とともに同人誌を発行します。社会科学を学び、プロレタリア文学への関心を強め、小樽の労働運動に参加するようになったのです。

全国で行われた警察による共産党大弾圧を、小樽市を背景に描いた『一九二八年三月十五日』でプロレタリア作家として一躍注目を集めます。

翌年の1929年、北洋の蟹工船労働者を描いた『蟹工船』を発表、広い層の反響を得ました。両作とも数カ国語に翻訳されて国際的にも知られています。

同年、退職して翌春上京します。31年に当時非合法下にあった日本共産党に入党しました。指導に尽くす一方で、多くの評論、小説を書き続けました。

秋田県生まれ(1903~33年)。

1933年はどんな時代であったのか。

■事件/大阪第4師団ゴーストップ事件

■世相/風刺・ユーモア流行。ベビーゴルフ。ヨーヨー。松竹と宝塚のレビュー合戦。ネオンサイン。三原山自殺激増。「源氏物語」上演禁止

■企業/東洋高圧工業設立。日本輸出絹人絹織物組合連合会設置。日満アルミニウム・日満マグネシウム会社設立

■軍事/93式酸素魚雷制定。潜水母艦「大鯨」進水。93式中戦車製作開始

■文化/バーナード・ショー来日。ドイツ建築家ブルーノ・タウト来日。マルコーニ来日

■厚生/W.N.ハース(英)、ビタミンCの合成と構造決定

■科学技術/関西共同火力発電尼崎発電所運転開始。満蒙学術探検隊派遣。浅間山地震観測所開所

■女性/婦人炭坑内労働禁止。娼妓の外出自由。東京市結婚相談所開設。山川菊枝「女性五十講」

■文芸/山本有三「女の一生」。尾崎士郎「人生劇場」。石坂洋次郎「若い人」。広津和郎「風雨強かるべし」。谷崎潤一郎「春琴抄」。久保栄「五稜郭血書」

■音楽/レコード検閲制。シゲッティ来日

■芸能/土方与志渡欧。笑の王国旗上げ

■映画/日本劇場竣工。「伊豆の踊子」。「出来ごころ」。「滝の白糸」。「丹下左膳」。「盤嶽の一生」

■放送/時報初の自動化

■出版/「新潮文庫」発刊。「文学」、「文芸」、「文学界」、「人物評論」、「歴史学研究」創刊。「日本戯曲全集」完結。滝川幸辰「刑法読本」発禁

■流行歌/島の娘。東京音頭。サーカスの唄。満州行進曲

■流行語/転向。非常時。

1933年の主な出来事。

満州で山海関占領、熱河進撃と続き、2月に日本は国際連盟を脱退しましたが、大陸政策は推進、5月華北へ侵入しました。

積極財政政策による軍需インフレ・輸出増大は、三井・三菱財閥の方向転換と新興財閥の台頭をもたらし、産業の重化学工業化を促しました。

農村では、農村自力更生運動と相まって産業組合勢力が浸透、ファシズムの有力な基盤をつくり出すことになりました。

ファッショ的風潮は思想・言論にも波及、京大滝川事件、共産主義者の転向声明、神兵隊事件などに表れました。

1933年(昭和8年)

ヒトラーの政権掌握を伝えた1933年1月31日の記事

ヒトラーの政権掌握を伝えた1933年1月31日の記事

1.3 日本軍、山海関を占領

1.5 日本軍の「北満討匪」終わる

1.9 大島三原山で実践女学校生徒が投身自殺。以後、自殺の名所となる

1.12 河上肇、検挙される

1.12 陸軍少年飛行兵制度を発表

1.15 米国が満州国不承認を列国に通告

1.20 満州国政府、熱河侵攻を表明

1.23 堺利彦死去、62歳

1.30 ドイツでヒトラー内閣成立

2.4 長野県の「教員赤化事件」で608人を検挙

2.14 国際連盟19カ国委員会、日本軍の満鉄付属地撤退、中華民国の満州統治権承認の報告案を採択

2.20 小林多喜二、検挙・虐殺される、29歳

2.3 日満軍による熱河侵攻を開始(3月中旬一応成功)

2.24 国際連盟総会で満州国不承認。国際連盟が対日勧告案を42対1で採択、日本代表・松岡洋右は「連盟協力限界に達せる」と述べ、退場

2.27 ベルリンの国会議事堂、放火で炎上

3.1 米国で金融恐慌起きる

3.3 東北三陸地方で大地震と大津波。死者、行方不明者2998人

3.4 米大統領にルーズベルトが就任、ニューディール政策開始

3.18 吉野作造死去、55歳

3.23 ドイツ議会、ワイマール憲法を廃棄。全権委任法でヒトラー独裁承認

3.27 日本、国際連盟脱退を通告。詔書発布

3.28 ドイツ、ユダヤ人に対する全面的ボイコットを宣言

3.29 米穀統制法公布(11月1日施行)

3.29 農村負債整理組合法公布(8月1日施行)

3.29 外国為替管理法公布(5月1日施行)

4.1 児童虐待防止法公布(10月施行)

4.1 重要美術品保存法公布

4.1 ナチス、最初のユダヤ人ボイコットを組織

4.6 日本製鉄株式会社法公布(9月25日施行)

4.10 英、日印通商条約廃棄を通告

4.12 米、ドル切り下げ

4.18 日本軍、秦皇島を占領

4.19 米、金本位制から離脱

4.26 外国為替管理法施行令公布(5月1日施行)

5.2 ヒトラー政府、労働組合を禁止

5.2 ソ連、正式に北満鉄道の日本または満州への譲渡を提議

5.10 ドイツナチス党、焚書を断行

5.12 全日本貿易連盟創立

5.20 大阪市地下鉄、梅田-心斎橋間開通

5.26 滝川事件。滝川幸辰・京都帝国大教授の刑法学説を赤化思想として鳩山一郎文相、休職を発令。宮本法学部長ら38人が辞表提出

5.31 日華間で塘沽停戦協定成立、塘沽で調印

6.7 国際連盟22カ国委員会が満州国不承認の決議案採択、関係国に通告

6.7 3・15事件の佐野学、鍋山貞親が獄中で転向を声明

6.12 ロンドンで世界経済会議開催、日本も参加

6.15 松竹少女歌劇団レビューガールら待遇問題でスト

6.19 工業組合中央会創立

6.19 東海道線丹那トンネル貫通(開通は1934年12月1日)

6.22 ドイツで社会民主党の活動、全面的禁止となる。7月14日新政党の結成を禁止

6.26 北満鉄道譲渡会議始まる

7.3 全国水平社、高松地裁の身分差別裁判へ糾弾闘争を始める

7.11 神兵隊事件。天野辰夫弁護士と大日本生産党のクーデター計画、鈴木善一ら49人検挙

7.15 東京-京城間電話開通

7.20 拓務省、満州移民計画大綱を発表

7.29 小切手法公布(1934年1月1日施行)

8.1 浜松陸軍飛行学校新設

8.9 第1回関東地方防空大演習

8.29 松方日ソ石油がソ連産の石油売り出し開始。石油販売戦激化

9.1 日満合弁の満州電信電話会社創業

9.12 三十四、山口、鴻池の3銀行が合併調印、三和銀行設立(12月11日開業)

9.15 閣議、不穏思想予防鎮圧取り締まり強化方針を決定

9.22 三井財閥、方向転換を発表(池田成彬が三井合名常務理事に)

9.25 インドのシムラで日印通商交渉始まる(1934年7月12日条約調印)

9.30 上海で極東反戦大会、日本も参加

9.- 東京-大阪間16カ所の航空灯台が完成

9.- 豊田自動織機製作所が自動車部を設置(のちのトヨタ自動車)

10.1 自動車交通事業法実施

10.3 国防・外交・財政調整の5相会議(首、外、陸、海、蔵)設置

10.14 ドイツ、国際連盟を脱退

10.15 日満連絡の新京(長春)-清津直通列車開通

10.15 日本国家社会主義全国協議会結成

10.21 関東軍、満州国経済統制計画を発表

10.- エノケン一座結成

11.2 シベリア鉄道複線工事完成

11.5 片山潜、モスクワで客死、73歳

11.8 生糸500円台に暴落、蚕糸恐慌深刻化。産繭・生糸輸出に対する統制開始

11.13 救国埼玉青年挺身隊事件

11.16 米、ソ連を承認し米ソ国交回復

11.17 東京府中競馬場落成(18日開始)

11.24 全日本商権擁護連盟第1回全国大会、産業組合運動排撃宣言ならびに決議可決

12.5 米、禁酒法が撤廃され、14年ぶりにアルコール販売が解禁となる

12.8 全日本商権擁護連盟、産業組合の特典撤廃を陳情

12.8 松岡洋右が政友会を脱党し、政党解消運動を表明、23日「政党解消連盟」結成

12.12 ドイツでナチス総一党による総選挙が行われる。支持率92%

12.13 東京市中央卸売市場落成

12.23 皇太子明仁親王(現・天皇)誕生

12.26 第65回帝国議会開会

12.26 自動車製造(日産自動車の前身)創立

12.28 国際電気通信条約公布

この年、ファシズムという得体のしれない暴力が、巨大な影となって国民を脅かし始めたのです。

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