裁判官、山口良忠は自らの法によって命を縮めた - 1947年(昭和22年)

裁判官、山口良忠は自らの法によって命を縮めた – 1947年(昭和22年)

山口良忠(やまぐち・よしただ)は裁判官でした。

山口良忠山口良忠は食糧難時代に当時の食糧管理法を守って、ヤミ米などを食べることを拒否しました。栄養失調がもとで、この年10月に死去します。

33歳でした。

当時、山口は東京地裁でヤミ売買などの経済統制違反を担当していました。裁く立場にある裁判官が、ヤミの食糧を口にするわけにはいかないと、配給だけの生活に徹していたのです。

しかし山口良忠は地裁の階段で倒れ、郷里で療養しましたが、肺浸潤を併発して没したのです。

「食糧統制法は悪法だ。しかし法律としてある以上、国民は絶対にこれに服従せねばならない。自分はどれほど苦しくともヤミ買い出しなんかは絶対にやらない」「自分等の心にいちまつの曇があり、どうして思い切った正しい裁判ができようか」などと綴られた「病床日記」が没後、報道されて大きな反響を呼びました。

また、報道では「薄給のための配給生活」というニュアンスが強く出されたため、裁判官の職務の厳しさが見直されて、判検事の給与面での待遇改善につながりました。

現代ではなかなか探すことのできない、清廉潔白な人物だったと言えます。

佐賀県生まれ(1913~47年)。

1947年はどんな時代であったのか。

■社会/額縁ヌードショー。サッカリン・ズルチン。男女共学。ラジオの「鐘の鳴る丘」「日曜娯楽版」に人気

■文化/田村泰次郎「肉体の門」。太宰治「斜陽」。竹山道雄「ビルマの竪琴」。石井桃子「ノンちゃん雲に乗る」。坂口安吾「堕落論」。野間宏「暗い絵」。石坂洋次郎「青い山脈」。原民喜「夏の花」。登呂遺跡発掘始まる。民芸・ぶどうの会結成

■流行歌/夜のプラットホーム。東京ブギウギ。港が見える丘。山小舎の灯。星の流れに

■映画/安城家の舞踏会。銀嶺の果て。今ひとたびの

■流行語/斜陽族。タケノコ生活。不逞の輩(ふていのやから)。

1947年の主な出来事。

トルーマン・ドクトリンなど、共産主義に対する米国の強い決意が示され、これに対抗してソ連も欧州共産党情報局(コミンフォルム)を結成するなど、米ソの冷戦が本格化しました。

日本では労組の2・1ゼネストがマッカーサー司令官の命令で、直前に中止されましたが、これも米国が日本の左傾化を望まぬ姿勢を明確にしたものでした。

4月の両院選挙で社会党が第1党となり、同党中心の片山哲内閣が誕生します。5月には新しい憲法が施行されました。

1947年(昭和22年)

1.1 吉田茂首相が年頭の放送で、労働運動指導者を「不逞の輩」と非難

1.4 公職追放令改正(財界、言論界、地方公職に拡大)

1.16 新皇室典範公布

1.18 有価証券の処分の調整に関する件公布(証券民主化の推進)

1.18 全官公庁労組共闘委員会が「2・1ゼネスト宣言」(400万人結集準備)

1.20 ララ(アジア救済連盟)の救援物資を得て、東京都内で学校給食始まる

1.22 インド制憲議会が独立宣言決議案を可決。これにムスリム連盟が反対、両派の衝突が全土に拡大

1.25 復興金融金庫発足

1.28 吉田内閣打倒・危機突破国民大会(皇居前広場)に30万人参加

1.28 英・ビルマ独立付与協定調印

1.31 マッカーサーが、「2・1ゼネスト」に中止命令。全官公庁労組共闘議長・伊井弥四郎、スト中止を放送。2月1日共闘解散

2.10 パリ平和条約調印。連合国とイタリア、ハンガリー、ブルガリア、ルーマニア、フィンランドとの講和。9月15日発効

2.18 米陸軍省派遣のストライク賠償調査団が対日賠償報告書をGHQに提出

2.20 アトリー英首相が48年6月にインドへ主権付与を言明。インドの独立を黙認し、マウントバッテンをインド総督に任命

2.24 参議院議員選挙法公布

2.25 埼玉県高麗川駅南の八高線鉄橋で満員列車が転落事故。死者174人

2.28 閣議、供米促進対策要綱を決定

2.28 台湾民衆の反国府暴動がぼっ発(2・28事件)。陳儀主席が戒厳令公布。約2万人が殺される

3.5 政府、主食供出に警察力による取り締まりを訓示

3.8 国民協同党結成(書記長・三木武夫)

3.10 全国労働組合連絡協議会(全労連)結成

3.12 トルーマン米大統領が上下両院合同会議でトルーマン・ドクトリン(共産勢力封じ込め)演説。対ギリシャ・トルコ援助を要請

3.31 衆議院解散(帝国議会終幕)

3.31 衆議院議員選挙法改正公布

3.31 教育基本法・学校教育法公布(6・3・3・4制を規定)

3.31 財政法公布

3.31 第1回農地買収(11万8371町歩)

3.31 民主党結成(総裁・芦田均)

4.1 町内会・部落会・隣組廃止

4.1 国民学校を廃止、新小・中学校による6・3制が発足

4.2 国連安保理事会、旧日本委任統治領に対する米国の単独信託統治協定案可決

4.2 英がパレスチナ問題を国連に提訴

4.5 第1回知事・市区町村長選挙。30日第1回統一地方選挙(保守圧勝)

4.7 労働基準法公布(9月1日施行)

4.14 独占禁止法公布

4.16 裁判所法公布

4.17 地方自治法公布

4.20 第1回参議院議員選挙(社会47、自由39、民主29、国民協同10、共産4、諸派13、無所属108)

4.20 長野県飯田市で大火。4010戸が焼け、1万7000人が被災

4.25 第23回総選挙(社会143、自由131、民主124、国民協同31、共産4、諸派20、無所属13)。30日国会法公布

4.29 茨城県那珂湊で大火、焼失1500戸

5.2 外国人登録令公布

5.3 日本国憲法施行

5.4 フランスのラマディエ内閣が共産党閣僚を追放、戦後の左翼3党政治に終止符

5.13 イタリアのデ・ガスペリ内閣が総辞職、30日共産党を排除して再組閣

5.17 緑風会(参議院院内交渉団体)結成

5.19 経営者団体連合会設立。48年4月日本経営者団体連盟(日経連)と改称

5.20 第1次吉田内閣総辞職

5.20 第1特別国会召集(~12月9日)

5.23 衆参両院が圧倒的多数で首相に社会党委員長の片山哲を選出

6.1 片山連立内閣成立(社会・民主・国民協同の3党連立、自由党不参加)

6.3 文部省が学校での宮城遥拝、天皇陛下万歳、天皇の神格化表現の停止などについて通達

6.5 マーシャル米国務長官がヨーロッパ復興計画(マーシャル・プラン)を発表

6.8 岸和田市で演芸大会開催中、屋根が落ちて70人が圧死

6.8 日本教職員組合(日教組)結成

6.28 インドネシア第1次植民地戦争始まる。共和国軍対英・オランダ連合軍の戦闘が全土に拡大

7.1 公正取引委員会発足

7.4 政府、第1次経済実相報告書を発表(経済白書)。物価に比べ賃金の上昇が立ち遅れ、家計の7割が食費に消えていると指摘

7.5 経済安定本部が「新価格体系の確立」を発表(月平均賃金1800円ベース)

7.18 インド独立法案が英議会で成立

7.20 主食遅配が全国平均で20日に(東京25.8日、北海道90日)

7.20 沖縄人民党結成

7.31 米外交官ジョージ・ケナンが「フォーリン・アフェアーズ」誌で「対ソ封じ込め政策」を発表

8.2 文部省が「あたらしい憲法のはなし」を頒布。社会教育指導者用テキスト、小中学校児童生徒用副読本として

8.4 最高裁判所発足(長官・三淵忠彦)

8.8 古橋広之進が全日本水上選手権400メートル自由形競泳で4分38秒08の世界新記録(以後、2年間に23回の世界記録、「フジヤマのトビウオ」と呼ばれる)

8.14 浅間山噴火、登山者20人余焼死

8.15 GHQが制限付き民間貿易再開許可

8.15 英のインド独立法実施。インド連邦、パキスタン東西両自治領成立

9.1 労働省・特別調達庁設置。労働省は女性として初の局長に山川菊栄を任命

9.1 正力松太郎、緒方竹虎らA級戦犯23人が釈放される

9.2 シオニスト総評議会が開かれ、国連パレスチナ特別委にユダヤ人国家の設立決議を要求

9.14 関東地方に大水害。死者2247人(キャスリーン台風)

10.1 第6回国勢調査実施(総人口7810万1473人・東京都500万7771人・大阪府333万4659人)

10.5 欧州共産党情報局(コミンフォルム)の設置が公表される

10.10 キーナン東京裁判首席検事が「天皇と実業界に戦争責任はない」と表明

10.11 法の威信に徹しヤミ米を拒んだ山口良忠・東京地裁判事が栄養失調で死亡

10.13 初の皇室会議で、秩父、高松、三笠の宮家を除く11宮家51人の皇籍離脱を決定

10.20 米国でハリウッドの「赤狩り」が本格化。多数の俳優や製作者が非米活動委で証言

10.26 改正刑法公布(不敬罪・姦通罪を廃止)

10.26 カシミール藩王が、自由カシミールを組織するイスラム教徒住民の反乱でインドに防衛援助とインドへの編入を申請。27日インドが受諾し部隊を派遣(カシミール紛争始まる)

10.30 ジュネーブで国際貿易雇用会議開催。23カ国参加、関税貿易一般協定(ガット)に調印

11.1 NHKが「二十の扉」の放送開始

11.4 戦時中、皇道会の遊説部長だった平野力三農相を片山首相が罷免

11.9 米ソが国連パレスチナ特別委でイスラエル、アラブ両国の48年7月末建国に同意

11.14 閣議、電力危機突破対策要綱を決定

11.19 農業協同組合法・農業団体整理法公布

11.20 衆議院本会議が炭鉱国家管理法案で大混乱(~22日)。28日民主党分裂

11.25 第1回共同募金開始(総額6億円)

11.29 国連総会でパレスチナ分割案採択。1月21日アラブ諸国各地で反パレスチナ分割のデモ

11.30 職業安定法公布

12.1 100万円の宝くじが発売され、1日で売り切れになる

12.17 警察法公布。国家地方警察・自治体警察・公安委員会を設置

12.18 過度経済力集中排除法公布

12.20 臨時石炭鉱業管理法公布(いわゆる炭鉱国家管理、3年間の時限立法)

12.22 改正民法公布(「家」制度廃止)

12.30 東京裁判で東条英機元首相の尋問始まる

12.30 ルーマニアが王制廃止、人民共和国を宣言

12.31 内務省廃止

日本国内が混迷を極めていましたが、日本人の芯の強さは失われてはいませんでした。

やがてくる夜明けを感じさせる年だったと言えるでしょう。日本は戦争には負けましたが、日本人は苦難に負けることはなかったのです。

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