牧野富太郎は植物分類学の父と言われた男 - 1957年(昭和32年)

牧野富太郎は植物分類学の父と言われた男 – 1957年(昭和32年)

牧野富太郎(まきの・とみたろう)は、植物分類学者でした。

牧野富太郎「近代日本の植物分類学の父」ともいわれる存在で、この年1月に死去しました。自作の歌「草を褥(しとね)に木の根を枕 花と恋して九十年」そのままの生涯でした。

採集した標本は60万点、命名した植物は新種1000種、亜種・変種1500種以上に及び、日本植物分類学の基礎を独力で築いた人です。

牧野富太郎は小学校中退後、独学で植物を研究します。1887年に「植物学雑誌」の創刊にかかわり、日本植物に日本人として初めて学名を与えました。

88年に『日本植物志図篇』第1集を出版します。学会の絶賛を浴びたことから、東京帝大教授の不興を買いました。無謀ともいえる書籍購入や研究への費用のため家計はひっ迫します。それでも赤貧のなか、植物学上の新発見を続けたのです。

学歴がなかったため、大学からは冷遇され、東京帝大の講師に昇格したのは50歳のときでした。名声が上がるとともに全国の植物同好家から招かれ、多くの同好会が結成されました。

1940年、これまでの研究の集大成といわれる『牧野日本植物図鑑』を刊行したのです。

高知県生まれ(1862~1957年)。

1957年はどんな時代であったのか。

■社会/国民宿舎開業。チャームスクール流行。東京の人口世界一(851万8622人)

■文化/井上靖「氷壁」。大江健三郎「死者の奢り」。菊村到「硫黄島」

■流行歌/東京だよおっ母さん。バナナ・ボート。有楽町で逢いましょう。俺は待ってるぜ。嵐を呼ぶ男

■映画/蜘蛛巣城。喜びも悲しみも幾歳月。道。戦場にかける橋。世界は恐怖する

■流行語/よろめき。ストレス。才女。グラマー。何と申しましょうか。

1957年の主な出来事。

前年暮れに発足した石橋湛山内閣は首相の病気でわずか2カ月で退陣します。代わって岸信介内閣が登場しましたが、その施策は、自衛隊を増強し、憲法調査会を発足させるなど、いわゆる「逆コース」政策を強めるものでした。

ソ連が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射と人工衛星第1号の打ち上げに成功します。アメリカもICBMの試射に成功し、米ソによる核軍拡と宇宙開発競争激化の幕開けとなりました。

日本でも茨城県東海村で初めて「原子の火」がともったのです。

1957年(昭和32年)

1.5 アイゼンハワー米大統領が中東特別教書を議会に提出(共産主義勢力の中東進出を阻止するための新中東政策を要請)

1.9 イーデン英首相、スエズ敗北で辞任。10日マクミランが首相就任

1.13 浅草・国際劇場に出演中の美空ひばりが楽屋で若い女性に塩酸をかけられ、3週間のやけど。人気をねたんでの犯行

1.16 政府、対米綿製品輸出自主規制措置を発表

1.16 労農党、解党大会を開き社会党との統一を決定

1.17 社会党大会、左派が中央執行委員会の過半数に

1.18 植物分類学者の牧野富太郎(94歳)死去。独学で世界的学者に

1.30 群馬県相馬ケ原演習場で米兵ジラードが薬莢拾いの日本女性を射殺(ジラード事件)

2.8 日本、ポーランドとの国交回復協定に調印

2.13 日本、チェコスロバキアとの国交回復協定に調印

2.14 初の日ソ漁業委員会開催。4月6日協定調印(以後、毎年漁獲高など交渉)

2.14 佐賀県教組が259人の定員減に反対し休暇闘争を始める。4月2日11人処分。同24日10人逮捕。総評と日教組が支援闘争を組織(石川達三が「人間の壁」に作品化)

2.22 石橋湛山首相が病気のため辞意表明、23日内閣総辞職。25日第1次岸信介内閣成立

3.7 ストックホルムで第24回世界卓球選手権開幕。日本は5種目を制覇

3.13 最高裁でチャタレイ裁判上告棄却、訳者・出版社の有罪確定

3.22 ダークダックス結成初演奏会

3.25 欧州6カ国(仏・西ドイツ・伊・ベネルックス3国)が欧州共同体(EEC)、欧州原子力共同体(ユーラトム)両条約に調印

3.30 松下正寿立教大総長が首相特使として原水爆実験中止要請のため英国へ出発

3.31 原爆医療法公布

4.5 インド・ケララ州で共産党参加の左翼政権誕生

4.12 西ドイツの物理学者18人が、核兵器製造実験参加を拒否するゲッチンゲン宣言を発表

4.12 瀬戸内海で定員の3倍を乗せた第5北川丸が座礁して沈没、死者・行方不明113人

4.15 警視庁が全購連の前常務理事2人を逮捕(全購連汚職事件)。7月26日社会党が関連議員14人を処分

4.22 浅沼稲次郎書記長を団長とする社会党訪中団が毛沢東主席らと会談、「2つの中国の存在は認めぬ」との共同声明

4.25 政府が核武装について「攻撃的核兵器は違憲」との統一見解を発表

5.4 出羽海相撲協会理事長が協会の改革問題で悩み、国技館内で切腹未遂

5.7 岸首相が参議院内閣委員会で自衛権の範囲内なら核兵器保有も可能と答弁

5.15 英国がクリスマス島で初の水爆実験、第3の水爆保有国に

5.18 株価暴落(公定歩合引き上げなど、金融引き締め措置が原因)

5.20 岸首相、首相として戦後初めて東南アジア6カ国訪問へ

6.14 第1次防衛力整備3カ年計画決定

6.16 岸首相が米国に出発

6.16 コロンボで開かれた世界平和評議会総会が核実験即時無条件停止のアピールと軍縮宣言を採択

6.19 政府が国際収支改善緊急対策を発表(「早すぎた拡大」から緊縮へ、神武景気からなべ底不況へ)

6.21 訪米した岸首相がアイゼンハワー大統領と共同声明(日米新時代を強調、安保条約検討のための委員会設置、在日米軍削減など)

6.22 文部省が学校衛生統計調査を発表(児童の体位が初めて戦前を上回る)

6.27 政府が東京・砂川町で抜き打ち測量(立川基地拡張のため)。7月8日反対派と警官隊が衝突。9月22日警視庁が刑事特別法違反で23人検挙

6.29 日ソ親善協会を改組して日ソ協会を設立

7.3 ソ連共産党がマレンコフ、モロトフ、シェピーロフらの追放を発表

7.6 幸田露伴の名作「五重塔」のモデルとされた東京・谷中の天王寺の五重塔が放火心中により全焼

7.6 第1回パグウォッシュ会議をカナダ・パグウォッシュで開会(~10日)。世界の著名な科学者20人が参加、核兵器の脅威と科学者の社会的責任を確認。日本から湯川秀樹ら参加

7.10 岸内閣改造。外相藤山愛一郎。3悪(汚職・暴力・貧乏)追放の新政策

7.11 アメリカ最高裁がジラード事件の裁判権は日本側にあると裁定。11月19日前橋地裁は懲役3年執行猶予4年の判決

7.24 升田幸三が大山康晴から将棋の名人位を獲得。王将、九段と合わせ初の3大タイトル独占

7.25 九州西部に集中豪雨、諫早を中心に死者・行方不明964人

7.27 日中国交回復国民会議結成総会

8.1 在日米地上軍撤退開始

8.4 那覇市議選で瀬長亀次郎市長支持派が不信任決議阻止に必要な3分の1以上を獲得

8.12 朝日茂が劣悪な生活保護基準について国を相手取り訴訟を起こす(朝日訴訟)

8.13 憲法調査会第1回総会。会長に高柳賢三を決定

8.26 ソ連がICBMの実験成功を発表。10月4日人工衛星スプートニク第1号の打ち上げに成功(宇宙時代の幕開け)

8.27 茨城県東海村の原子力研究所で、米国型原子炉に「原子の火」ともる

8.28 ボリショイ劇場バレエ団が日本初公演(新宿コマ劇場)

8.31 マラヤ連邦が英連邦内で独立。首相はアブドル・ラーマン

9.2 第29回国際ペン大会が東京で開会。スタインベック、モラビアら約360人参加

9.16 第4回サンパウロ・ビエンナーレ国際美術展で浜口陽三が最優秀賞

9.19 米国がネバダ州ラスベガスで初の原爆地下実験

9.20 糸川英夫東京大教授らが秋田県の海岸で国産ロケット1号機カッパーC型発射に成功(糸川ロケット)

9.23 日本、国連に核実験停止決議案を提出。11月6日政治委員会で否決

10.1 日本が国連安保理非常任理事国に

10.1 5000円札登場

10.2 ラパツキー・ポーランド外相が国連総会で中欧非核武装地帯設置を提案(ラパツキー・プラン)

10.4 ネール・インド首相、来日。8日上野動物園で8年前にインドが贈ったゾウのインディラと再会

10.15 八海事件で最高裁が「事実誤認の疑いがある」と原判決を破棄、差し戻しを決定

10.24 愛媛県教委が全国にさきがけ勤務評定(勤評)実施を通知(12月19日評定書提出終了、校長34人提出拒否)

10.24 第5回カナダカップ・ゴルフ大会が川越市で開かれ、個人で中村寅吉、団体で日本が初優勝。ゴルフブームのきっかけに

11.1 日本原子力発電会社が発足、茨城県東海村に発電所着工

11.3 ソ連の人工衛星2号がライカ犬1頭を乗せて打ち上げ成功。犬は6日目に死亡

11.16 64カ国共産党・労働者党会議を開催(19日、モスクワ)。23日宣言を発表、軍縮・核兵器禁止・軍事ブロック放棄を要求。毛沢東主席は「東風は西風を圧す」「米帝国主義は張り子の虎」論を展開

11.18 岸首相が第2次東南アジア9カ国訪問に出発

11.24 沖縄のムーア米高等弁務官、地方自治・選挙関係法の改正(首長不信任の条件を緩和)を布告。25日那覇市議会、瀬長市長不信任案を可決

11.25 中小企業団体組織法公布

12.1 日本ヘリコプター輸送株式会社が全日本空輸株式会社と改称

12.4 文部省、小・中学校の教頭を職制化(1960年4月から管理職手当支給開始)

12.6 東京で日ソ通商条約調印

12.10 日本アラビア石油会社がサウジアラビアと油田開発協定調印

12.10 伊豆天城山山中で、元満州国皇帝の姪、愛新覚羅慧生と学習院大の同級生の心中遺体発見

12.11 100円硬貨発行

12.17 閣議、新長期経済計画(1958~62年)を決定

12.18 ミラノ・トリエンナーレ国際工芸展で河井寛次郎がグランプリ

12.19 日米安全保障委員会が自衛隊に誘導弾(サイドワインダー)供与で合意

12.22 日教組臨時大会で勤評反対の非常事態宣言。各地で反対闘争激化

12.24 NHKがFM放送を開始

12.29 日韓会談で抑留者相互釈放について妥結。1958年2月1日抑留漁民300人が第1次帰国

冷戦と言うかつてない戦争が、見えない重圧となって世界を包もうとしていました。

日本もやはり、その暗い影から逃れることはできなかったのです。

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