読むだけでリバウンドしない。 その3

読むだけでリバウンドしない。 その3

この記事は「読むだけでリバウンドしない方法の原稿」です。その1から順番に読む必要があります。

読むだけでリバウンドしない。 その3

読むだけでリバウンドしない。 その1
読むだけでリバウンドしない方法の最初の記事です。読み方は次に指示があるまで、小説を読むような調子で読んでください。気軽に読み進め...

読むだけでリバウンドしない。 その2」からの続きです。

  • またここからは、しばらく気楽に読んでください。

「そんなことよりさ、僕らもフュースの排せつ物を食べてみようよ」

おじちゃんの言葉を聞いたとたん、返すことばもなく絶句した。

「物事には必ず原因が存在するし、今回のことも例外じゃない。昨日、光ちゃんはフュースの排せつ物を食べた。おそらくそのせいで、ダーリンと会話ができるようになったんだ」

「ちょっと待ってよ。だったらあの檻はいったいどうなるのさ。音や声なんて通さないはずじゃなかったの」

「そのとおり。だけどそれはあくまでも僕らの常識でしかないし、不可能だと決めつけたときから、その先へは進めなくなるんだよ」

「へ理屈としか、思えないよ」

「とにかくさ、正直に言うと僕は、理屈なんてどうでもいいんだ。この発見は人類にとって願ってもないチャンスだと思うし、僕らはそれをぜひ体験するべきだ」

きれい事を言ってはいるが、おそらく自分一人では心細いから、僕を道連れにしようと考えているにちがいない。さすがのおじちゃんでさえも、フュースのウンコを食べることには抵抗を感じている様子である。その気持ちにはなんとなく同調した。

結局、僕らの議論は平行線に終わった。にもかかわらず、わがままなおじちゃんは、僕を無理やりダーリンハウスへ連れ込んだ。今度こそ、誘拐犯らしい行動を取っていると断言できる。

ハウスの中はうだるような暑さで、入ったとたん、体中の毛穴が一気に口を開けて不平を言った。そんな中にあって、フュースのウンコから漏れる甘い香りだけがあまりにも鮮明で、僕らをむやみに刺激した。

おじちゃんは一気にカウンターの向こうへ進んで、乳白色の容器の前に立った。僕はとてもおじちゃんと行動をともにするだけの勇気がなかったから、入り口のところで立ち止まり、そこから様子をうかがうことにした。

室内は意外と明るくて、窓から差し込む日差しが長く伸び、そのせいで逆光になったおじちゃんの顔には異様な影が載っている。それを眺める僕はやけにおぞましく感じてしまい、目を細めて、わずかに視線をそらすのみだ。

その間もおじちゃんの決心が鈍ることはなく、こちらを見ながら深呼吸を一つした。そのあと容器のふたに右手をかけた。次の瞬間、僕の脳裏には昨日見た、フュースの姿が鮮やかによみがえった。

動くたびに飛び散る体の破片、蛇のようにとぐろを巻くあの目でさえも、やけに生々しく感じてしまい、不快な気持ちをじっとかみしめている。

その上おじちゃんの前に置いてあるフュースの排せつ物に、うっかり注意を向けたらもう最後、僕の食わず嫌いは一気に爆発した。

そのうちおじちゃんの指先が、フュースのウンコに触れた。

「さあ、食べるよ、卓君」

おじちゃんはそう言ったあと、指ですくった物を口もとへ運んだ。

最初の一口はやや遠慮気味、だけどそれをいったん過ぎてしまうと勢いがつく。のどを鳴らしながら、口の中へ押し込んだ。

ただし事が終わったあとのほうが、もっとおぞましい。あごの辺りまで、粘土のようなウンコがこびりついている。それを見ているだけで、下痢と便秘が交互に訪れたような気分になった。

「大丈夫? おじちゃん」

恐る恐る聞いてみた。

「ヒック、ヒクヒクゲップ」

不気味なしゃっくりとともに、おじちゃんの体は激しい上下運動を繰り返した。それをつぶさに見せられて、僕は思わず二三歩、後ずさった。

「大丈夫だ……ちょっとショックを受けてるだけ」

無理もないと思う。ウンコを食べるなんて、おじちゃんにしたって初めての経験だったにちがいない。

そのうちおじちゃんが、こちらに近づいてくる。こうなったら逃げるしかないと思った。震える足に叱咤激励、そのまま出口のドアに体当たりをかましてやった。

ところがそのとき目の前の扉がいきなり開いて、ここでも僕は何歩か退くことになる。ドアの向こうには、光のやつが立っていた。

読むだけでリバウンドしない。 その4
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